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どのようなやりかたで勝手に離婚されているか

協議離婚では、離婚届は、合意がなくても、夫婦のどちらか一方が勝手に記入して提出すれば、市区町村で受理されてしまいます。以下は、実際に日本で起こり、離婚が成立してしまったケースです。

  1. 配偶者が自分で、あるいは配偶者が第三者に頼んで離婚届に署名、押印し、提出

  2. 日本国籍の配偶者に求められ、何の書類かわからなかったが、署名・押印したものが離婚届だった。日本国籍の配偶者がそれを提出

  3. 以前に本人が署名・押印した離婚届を、本人の同意なく配偶者が提出。

  4. 日本国籍配偶者が、外国籍配偶者の母国で離婚勝利を偽造。それを添付して日本で離婚届を提出

署名の偽装は簡単で、市区町村は確認をしません。離婚届には親権者を指定しなければならず、それを提出者(多くは日本国籍配偶者)が勝手に記入してしまい、親権者が確定してしまいます。

「離婚不受理申出」:勝手に離婚されることを防ぐ

このようなことを避けるため、「離婚届不受理申出」ができます。あらかじめ「離婚届不受理申出書」を市区町村に提出しておけば、相手が勝手に離婚届を提出しても、受理されません(戸籍法27条の2第3~5項)。離婚届不受理申出ができるのは、配偶者が日本国籍の場合のみです(外国籍同士の夫婦の場合はこの届出はできません)。

  • 「離婚届不受理申出」が受理されたら、効力はずっと続きます。その後離婚することになった場合は、「離婚届不受理申出」を取り下げる手続きをします。

  • 「離婚届不受理申出書」は役所にありますが、自分で作成しても構いません。記入には、日本国籍配偶者の本籍地(☆下記)が必要です。

  • 日本国籍配偶者の漢字氏名や本籍地は、住民票に記載されています。住民票は、世帯全員のもので、「本籍地等の記載」があるものを取ってください。

  • 提出先は、日本国籍配偶者の本籍地の市区町村役場になります。また、住民票の住所地の市区町村役場でも受付してくれます。郵送では受付されません。また、代理人による提出は受付されず、当事者本人が市区町村役場に行って提出しなければなりません。

  • 日本にいるものの、病気等により市区町村役場に提出に行けない場合は、「離婚届不受理申出書」を公正証書にすれば、郵送で受付してもらえます。公正証書は公証役場で作ってもらうものです。あなたが公証役場に行くことができないときは、委任状があれば代理人が代わりに行うことができとのことです(公証役場に確認してください)。

  • 外国にいる場合は、「離婚届不受理申出書」を、日本国籍配偶者の本籍地の自治体に郵送で提出することができます。

  1. 「離婚届不受理申出書」と同様の内容(「離婚の意思がない」ということ、夫婦双方の名前、生年月日、住所、日本国籍配偶者の本籍地、外国籍配偶者の国名を記載し、さらに申出者の名前とサイン(または印鑑)、連絡先住所、電話番号を記載した文書)を母語で作成します。

  2. 1を滞在国で公証してもらいます。公証の方法は国によって違います。

  3. 2を日本語に翻訳したものと、1の両方を、相手の本籍地住所の自治体戸籍係にEMSで郵送してください。

※離婚届不受理申出書が受理されたかどうかについては、本籍地役場に直接問い合わせが必要です。
※外国にいて、さらに日本国籍配偶者の本籍地を知る手段がない場合は、外国人配偶者の国に提出した婚姻届の添付文書を取り寄せます。それには、日本国籍配偶者の戸籍謄本があるはずで、そこに本籍地が記載されています。
※以上ができない場合は、本籍地を知ることができず、離婚届不受理申出書を出すことができません。その場合でも、日本の専門家や相談機関に相談してみてください。相手の本籍地を知ることができる可能性があります。
※それでも勝手に離婚届が出されてしまった場合は、離婚無効確認調停を裁判所に申し立てることができます。

  • すでに離婚届が受理されてしまっていて、相手方になっている親権を本人側に変えたいと思っているのであれば、子どもと決して離れてはいけません。一旦子どもとの生活を離れてしまうと、子どもの親権を取り戻すことは、一生ほとんど不可能になります。相手が何を言おうと、どのような状況であろうと、子どもと一緒に生活を続け、その上で弁護士に相談してください。

☆「本籍」:住んでいるところの住所ではなく、「戸籍」をおいている住所を本籍といいます。「戸籍」は、家族の身分関係を記録するものです。住所と本籍は同じである場合もありますが、異なっている場合もあります。日本国籍配偶者との婚姻では、日本人配偶者が本籍の「筆頭者」となっています。本籍を知るには、家族全員の住民票(戸籍地が記載されているもの)を取得してください。そこに日本人配偶者の本籍が記載されています。
 

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